2021 ガルナッチャ デ フエゴ / ビーノ デ アラゴン Garnacha de Fuego / Vino de Aragón

2021 ガルナッチャ デ フエゴ / ビーノ デ アラゴン Garnacha de Fuego / Vino de Aragón

¥2,100
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税込
ノン・ブランドの産地を開拓 スペインの高品質ワイン

■生産地■
アラゴン(スペイン)

■生産者について■
ホルヘ・オルドニェスは、アメリカのスペインワイン市場を確立した立役者で、1987 年に輸入会社ファイン・エステート・フロム・スペインを設立し、無名産地の高品質なワインを発掘し世に送り出すと共に、自らもワイナリーを経営し、カラタユド、ルエダ、リアス・バイシャス、マラガなどスペイン各地から輸入するワイナリーの数は 40 以上にのぼります。1987 年当時のアメリカにおけるスペインワインの評価は低く、ワインショップの陳列棚の下段で埃をかぶった安売りのシェリー酒や、さびれたリオハワインのイメージしかありませんでした。
代々ワインビジネスを営んできた一族のもとに生まれ育ったホルヘ・オルドニェスは、当時アメリカで低い評価しか得ていなかったスペインワインに大きな可能性があることに気付きました。オルドニェスのやり方は、スペインワインの特色と伝統を残しつつ、20 世紀後半のワインの近代化の流れの軸上にスペインワインを乗せることでした。国際的な風潮に迎合する代わりに、アルバリーニョやチャコリ、ゴデーリョなどのエキゾチックなスペインワインを、サングリア以外についての認識が殆どなかった当時のアメリカ市場に初めて投じることでアメリカのワイン評論家に挑戦するという大胆な手法をとったのです。
オルドニェスは、ワインが消費者の手に渡るまでの輸送・保管方法の大々的な改善を強く提唱しました。この結果、ファイン・エステートは、スペインで初めて冷蔵設備を備えたワイン倉庫を導入し、ワイナリーから輸送業者、商社の手に渡るまでワインの冷蔵輸送と適温保管を徹底した初めてのワイナリーとなりました。マーケットにおけるスペインワインの認識がゆっくりと変化し始めるまで、実に 10 年にもわたる奮闘があり、1990 年代になってようやく、スペンワインは高級ワインとして認められるようになりました。
米国でようやくリベラ・デル・ドゥエロやリアス・バイシャスが認識され始めた頃、オルドニェスは新たな新天地開拓に乗り出し、フミーリャやカラタユド、モンサンのような無名産地でワイン造りで最も才能あるパートナー達と手を組み、モダンなテイストを持ちつつもスペインの精神とテロワールが息づく、これまでに無かった新しいワイン造りに着手しました。ホルヘの功績は目覚ましく、ロバート・パーカーが選ぶ 20 人のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに2度もノミネートされ、1997年にはフード&ワイン・マガジンで金賞を受賞し、同年スペイン王立調理学校とビクトール・デ・ラ・セルナが選ぶナショナル・ガストロノミー賞を受賞。2008年には、ナンタケット島ワイン・フェスティバルでルミナリー・オブ・ザ・イヤーの最初の受賞者となりました。
革命的なスペインワインの開拓者―ホルヘ・オルドニェス (ワイン・アドヴォケート 203 号 2012 年 10 月号より)ホルヘ・オルドニェスに初めて会ったのは、ワイン・アドヴォケートを出版して 10 年が経った頃で、2012 年は彼の輸入会社の創立 25 周年にあたる。ホルヘ・オルドニェスは、上質なスペインワインのスタンダードを確立した人物と言っても過言ではない。高品質にして驚くべき低価格を実現したフミーリャやカンポ・デ・ボルハなどの上質なワインを輸入した最初の人物だ。
ホルヘと共に試飲をした事がある者は皆、彼が温度やグラスに類まれなき拘りを持っている完璧主義者であることを知っている。ワインの本質が感じられるようになるまで、同じボトルを 2~3 本開けることも珍しくない。彼が輸入するワインは、全て温度管理されたリーファーコンテナで輸送され、スペインのビルバオとアメリカにあるワイン倉庫は、どちらも温度管理が行き届いている。2011年にホルヘ自らが語ってくれたが、船積みの際は船に 500以上の温度レコーダーを付け、届け先の販売業者の元にわたるまで、全てのワインの温度の記録を付け、徹底管理している。異常な程に完璧主義者のホルヘ・オルドニェスは、時に人をいらだたせる時もあり、彼の偉大な業績に明らかな嫉妬心を抱く競合者が後を絶たないのも事実である。しかし、いつも真実はボトルの中にある。このレポートは、ホルヘ・オルドニェスのワインが、値段以上の価値がある素晴らしいセレクションであることを証言するものである。ホルヘ・オルドニェスは、安価で良質なワインを楽しみたいと願う消費者の下に遣わされたバッカス神の使者に違いない。

■商品について■
ガルナッチャ・デ・フエゴは、果実味が前面に引き出た若々しいスタイルのワインで、カラタユドの高地に育つ世界最古のガルナッチャのクローンが醸す格別な味わいは、秀逸なバリューワインとして高い評価を受けています。雨の少ない乾燥した気候と低収量の古樹が生む凝縮した果実味を高地の寒暖差が育む鮮やかな酸が引き締め、粘板岩土壌に由来するエレガントなミネラルが感じられます。
■テクニカル情報■ 品種:ガルナッチャ 100% 植樹:1945-1985 年 畑面積:151ha(カラタユド南部の山岳地帯にある複数区画)
収量:3t/ha 標高:800-1000m 土壌:カンブリア紀~シルリア紀の粘板岩・石英質土壌の一部を中生代の薄い石灰質土壌が覆う
収穫:10-11 月(最も遅熟の区画は、初雪の降る 12 月頃) 醸造:容量 20kg の小さな箱を用いて手作業で収穫・選果し、コンクリート製とステンレス製のタンクで自然発酵させ、6 ヶ月熟成。デブルバージュで清澄・無ろ過で瓶詰。年間生産量:30,000 ケース
2020VT★ヴィノス 90 点:外観は、明るいルビー色。ジャミーな赤系や青系果実、花のアロマが香り立ち、空気に触れると、徐々に表れるスパイシーなニュアンスが味わいを際立たせる。エネルギッシュで、爽やかな酸があり、繊細なタンニンを伴う余韻の長い後味にはボイセンベリー、砂糖漬けのラベンダー、ホワイトペッパーのアロマが広がる。非常にお値打ち感が高いワイン。
≪飲み頃:2021-2026 年|2021/3 掲載≫
2020VT他誌評価:★ギアペニン90点