2023 ボタニ モスカテル オールド バインズ Botani Moscatel Old Vines

2023 ボタニ モスカテル オールド バインズ Botani Moscatel Old Vines

¥3,550
/
税込
ノン・ブランドの産地を開拓 スペインの高品質ワイン

■生産地■
マラガ(スペイン)

■生産者について■
ホルヘ・オルドニェスは、アメリカのスペインワイン市場を確立した立役者で、1987 年に輸入会社ファイン・エステート・フロム・スペインを設立し、無名産地の高品質なワインを発掘し世に送り出すと共に、自らもワイナリーを経営し、カラタユド、ルエダ、リアス・バイシャス、マラガなどスペイン各地から輸入するワイナリーの数は 40 以上にのぼります。1987 年当時のアメリカにおけるスペインワインの評価は低く、ワインショップの陳列棚の下段で埃をかぶった安売りのシェリー酒や、さびれたリオハワインのイメージしかありませんでした。代々ワインビジネスを営んできた一族のもとに生まれ育ったホルヘ・オルドニェスは、当時アメリカで低い評価しか得ていなかったスペインワインに大きな可能性があることに気付きました。
オルドニェスのやり方は、スペインワインの特色と伝統を残しつつ、20 世紀後半のワインの近代化の流れの軸上にスペインワインを乗せることでした。国際的な風潮に迎合する代わりに、アルバリーニョやチャコリ、ゴデーリョなどのエキゾチックなスペインワインを、サングリア以外についての認識が殆どなかった当時のアメリカ市場に初めて投じることでアメリカのワイン評論家に挑戦するという大胆な手法をとったのです。オルドニェスは、ワインが消費者の手に渡るまでの輸送・保管方法の大々的な改善を強く提唱しました。この結果、ファイン・エステートは、スペインで初めて冷蔵設備を備えたワイン倉庫を導入し、ワイナリーから輸送業者、商社の手に渡るまでワインの冷蔵輸送と適温保管を徹底した初めてのワイナリーとなりました。マーケットにおけるスペインワインの認識がゆっくりと変化し始めるまで、実に 10 年にもわたる奮闘があり、1990 年代になってようやく、スペンワインは高級ワインとして認められるようになりました。
米国でようやくリベラ・デル・ドゥエロやリアス・バイシャスが認識され始めた頃、オルドニェスは新たな新天地開拓に乗り出し、フミーリャやカラタユド、モンサンのような無名産地でワイン造りで最も才能あるパートナー達と手を組み、モダンなテイストを持ちつつもスペインの精神とテロワールが息づく、これまでに無かった新しいワイン造りに着手しました。ホルヘの功績は目覚ましく、ロバート・パーカーが選ぶ 20 人のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに2度もノミネートされ、1997年にはフード&ワイン・マガジンで金賞を受賞し、同年スペイン王立調理学校とビクトール・デ・ラ・セルナが選ぶナショナル・ガストロノミー賞を受賞。2008年には、ナンタケット島ワイン・フェスティバルでルミナリー・オブ・ザ・イヤーの最初の受賞者となりました。
革命的なスペインワインの開拓者―ホルヘ・オルドニェス (ワイン・アドヴォケート 203 号 2012 年 10 月号より)ホルヘ・オルドニェスに初めて会ったのは、ワイン・アドヴォケートを出版して 10 年が経った頃で、2012 年は彼の輸入会社の創立 25 周年にあたる。ホルヘ・オルドニェスは、上質なスペインワインのスタンダードを確立した人物と言っても過言ではない。高品質にして驚くべき低価格を実現したフミーリャやカンポ・デ・ボルハなどの上質なワインを輸入した最初の人物だ。ホルヘと共に試飲をした事がある者は皆、彼が温度やグラスに類まれなき拘りを持っている完璧主義者であることを知っている。
ワインの本質が感じられるようになるまで、同じボトルを 2~3 本開けることも珍しくない。彼が輸入するワインは、全て温度管理されたリーファーコンテナで輸送され、スペインのビルバオとアメリカにあるワイン倉庫は、どちらも温度管理が行き届いている。2011年にホルヘ自らが語ってくれたが、船積みの際は船に 500以上の温度レコーダーを付け、届け先の販売業者の元にわたるまで、全てのワインの温度の記録を付け、徹底管理している。異常な程に完璧主義者のホルヘ・オルドニェスは、時に人をいらだたせる時もあり、彼の偉大な業績に明らかな嫉妬心を抱く競合者が後を絶たないのも事実である。しかし、いつも真実はボトルの中にある。このレポートは、ホルヘ・オルドニェスのワインが、値段以上の価値がある素晴らしいセレクションであることを証言するものである。ホルヘ・オルドニェスは、安価で良質なワインを楽しみたいと願う消費者の下に遣わされたバッカス神の使者に違いない。

■商品について■
ボタニは、マスカット・オブ・アレキサンドリアから作られた近代史上初めての辛口白ワイン。鮮やかな麦わら色の色調に、ライチやフレッシュな核果実、白い花を思わせる表情豊かなアロマを特徴とするユニークなワインで、魚貝類と非常に良く合います。
■テクニカル情報■ 品種:マスカット・オブ・アレキサンドリア 100%(辛口白) 植樹:1946/1968/1975 年 畑面積:80ha 収量:1.3t/ha
アルコール:14%前後 醸造:50%は除梗し、50%は除梗せずにホールバンチ方式で圧搾し、ステンレスタンクで自然発酵。6~8 ヶ月
シュールリー熟成させてワインに深みと複雑味を与え、デブルバージュにより清澄。年間生産量:約 6,000 ケース
2019VT★ジェームズ・サックリング 92 点:蜜蝋やドライアップル、パインの豊かなアロマに、ライムのニュアンスが香る。蝋のような滑らか
な質感を持つ重厚なフルボディ。風味豊かな後味。極めてクラシックだが興味深いスタイル。今が飲み頃。≪2020/10/12 掲載≫
2019VT 他誌評価:★ギア・ペニン 92 点 ★ヴィノス 91 点 ★ワインスペクテーター 90 点